Ferrocinotoが有る、カラブリア州カストロヴィッラリは、
テッレ・ディ・コセンツァというDOPエリア内に在ります。
このDOPですが、実は2011年に生まれた新しいDOPで、
それまでは、コセンツァ県にはいくつかの小さなDOCが
存在していました。
San Vito di Luzzi
Donnici
Pollino
Verbicaro
Ferrocintoのプロジェクトが始まった2000年代前半、
廃止された4つのDOCは、殆ど機能していなかったそうです。
それは、何故かというと、旧DOCの赤ワインの
主要品種はガリオッポ。
そう、沿岸部のチロ地域で有名な品種です。
しかし、コセンツァ県の各DOC地域では、ガリオッポ種
から上質なワインを作るのは、なかなか難しかったようです。
Ferrocitoのプロジェクトが始まるにあたり、醸造家の
マルコ=モンキエロ氏。パレルモ大学の醸造学部の
研究チームが、ポッリーノ地域の土壌調査を徹底して行いました。
結果として、海抜が400m〜500mにもなるポッリーノ地域で
晩熟型のガリオッポ種を植えた場合、11月末まで待たないと、
葡萄は完熟しないことが分かりました。
確かに、海の近くのチロ地域で良いワインを産み出す葡萄が
海抜が400mも高い場所で、同じように熟す訳はないですよね。
そこで、着目したのが、古くからポッリーノ地域に植えられていたものの、
DOC規定により、居場所を失っていたマリオッコ種です。
マリオッコは早熟型の葡萄ですが、ポッリーノの地域の平均気温だと、
10月上旬には完熟出来る計算になります。
そこでFerrocintoでは、長い間植えられてきたガリオッポ種を植え替え
Ferrocintoのメイン品種として、マリオッコの使用を決定します。
まだDOP改正の前の話、なので、当然IGPとしてしかリリースできず。
現在のDOPマリオッコから先行リリース。
州政府や、専門機関にマリオッコと土壌の研究結果をアピールし、
やっと2013年。法律が改定。
Terrre di CosenzaDOP初のマリオッコとして
Terre di Cosenza Pollino Rosso 2011がリリースされました。
タイルで有名なコセンツァの街ということで、タイル模様の間にCosenzaの「C」
なかなか素敵なロゴマークです。
このDOPテッレ・ディ・コセンツァに
San Vito di Luzzi
Donnici
Pollino
Verbicaro
の4つのDOCが統合され、Cosenza県全体が
Terre di Cosenza DOPとして生まれ変わりました。
新しいDOPには、以下のカテゴリーに分かれています。
Ferrocintoの有るPollino地域は、Terre di Cosenza DOPの
サブゾーンとして、ラベルへの記載が認められます。
TERRE DI COSENZA POLLINO
このDOP名プラスサブゾーン(SOTTOZONA)の表記が
最も上級レンジという事になります。
このサブゾーン。7つの地域が認められました。
Verbicaro
Pollino
Esaro
Colline del Crati
Condoleo
San Vito di Luzzi
Donnici
Terre di Cosenzaの7つのサブゾーンです。
さらに注目なのが、マリオッコが他の品種よりも上に記載されているという事。
Terre di Cosenzaが、マリオッコという、一時期は絶滅に
追いやられた、歴史ある土着品種と共に、北カラブリア地域の
改革を進めて行くという、大きな決意でも有るのです。
TERRE DI COSENZA
IL MONDO DEL MAGLIOCCO
今後の成長が注目のエリア。
皆さんも、マリオッコ、始めて見ませんか?
posted by フェッロチント at 17:14|
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FERROCINTO
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